IPv6 Part 2 -ユニキャストアドレス-

概要


IPv6は通信方法により次の3種類のアドレスを使用します。IPv4で利用されていたブロードキャストアドレスは廃止され、マルチキャストアドレスで行います。 今回はユニキャストアドレスについて記載します。

種類 説明
ユニキャスト アドレス 特定のノードと通信するために使うアドレス。
マルチキャスト アドレス 特定のデータを複数のノードに配信するために使うアドレス。
特定のアドレスを複数のノード/インターフェースが保持できる。
エニーキャスト アドレス 特定のアドレスを複数のホスト/インターフェースが保持できる。
同じアドレスを保持している複数のノードの中から、
最も近いノードと通信するために使うアドレス。

以前の記事はこちらになります。




ユニキャストアドレス

特定のノードと通信するために使うアドレス。アドレスフォーマットは、大きく分けてNetwork PrefixとInterface IDの2つに分かれます。

  • Network Prefix
    IPv4アドレスと同様にネットワーク上の位置を示す。Network Prefix長は、通常64bit。
  • Interface ID
    IPv4アドレスと同様に、サブネットワーク内のノードを示す。Interface ID長は、通常64bit。

ユニキャストアドレスは、以下のプレフィックスから始まる3種類のアドレスが定義されています。

アドレス 種類
2000::/3 [001] Global Unicast Address(GUA)
fc00::/7 [1111 110] Unique Local Unicast Address(ULA)
fe80::/10 [1111 1110 10] Link Local Address

Interface ID

Interface IDは、リンク上のインターフェースを識別するためユニークである必要があります。 単一ノードの複数インターフェースで、同じInterface IDを使用しても問題ありません。 Interface IDは、以下の方法で決定します。

  • 手動
  • 自動(EUI-64、匿名)

EUI-64

48bitのMACアドレスから、64bitのInterface IDを生成します。

  1. MACアドレスを24bitずつ分割し、間に”FFFE”を挿入する
  2. 先頭から7bit目(u-bit)を反転させる

匿名

ノード自身が乱数によって、64bitのInterface IDを自動生成します。 自動生成されたInterface IDは、定期的に変更されます(ノードが特定されることを防止するため)。


Global Unicast Address (GUA)

IPv4のグローバルアドレスに相当。Global Routing PrefixはISPから割り当て、Subnet IDは自組織で決定します。

特別な用途に使用されるアドレス

特殊な用途のために予約されているアドレス。以下は、その一部。

アドレス 説明
2001:db8::/32 ドキュメント上でのみ使用可能なアドレス
2002::/16 6to4アドレス
2001:0000::/32 Teredoアドレス

Unique Local Unicast Address (ULA)

IPv4のプライベートアドレスに相当。Prefixは固定、Global IDは自組織で乱数生成、Subnet IDは自組織で任意に決定します。

Prefix

Prefixの一番最後のL-bitは、以下のようにして割り当てます。 0・・・将来定義 1・・・Locally Assigned ULAをローカル(=プライベート)に使う場合、L-bitには1を設定。従って現状ULAは FD00::/8 になる

Global ID

Global IDは乱数で生成するよう規定されています(組織が合併した際に、アドレス重複をさけるため)。


IPv6アドレスを使用するインターフェースは、必ずLink Local Addressを持ちます。Prefixは固定(fe80::/10)。Prefix以降の54bitはすべて0。


参考


翻訳: